就労継続支援B型事業所の方々とのパートナーシップを通じて、社会に優しいビジネスを目指す

古着の宅配回収&古着通販のモトリーでは、就労継続支援B型事業所の方々に、一部の作業を依頼しております。障害や病気を持つ方々が、無理なく働ける環境を整えながら、個々の能力を生かした、やりがいのある仕事を提供できるようにとの思いで取り組んでおります。担当の樋口さんに詳しくお話しをうかがいました。

納期を設けず、就労継続支援B型事業所利用者の方々の訓練につながる体制づくり

ー就労継続支援B型事業所の方々には、どのようなお仕事を依頼しているのでしょうか。

樋口 はい、現在、10事業所にご協力をお願いしております。就労継続支援B型事業所は、障害や病気のある人が無理なく仕事を体験できる場所です。精神障害や知的障害、身体障害、難病などを抱えている方など様々な症状の方がいらっしゃり、施設によって集まる方々が異なります。それぞれの症状に合わせて、軽作業、採寸、写真撮影、商品情報の原稿入力作業などをお願いしています。現在、10事業所のうち4事業所が難易度の高い原稿入力作業まで担当してくださっています。

ー納期はどのように決定するのでしょうか。

樋口 納期は特に設けておりません。就労訓練ですので、事業所の方々が無理なく作業を進められるよう配慮しています。体調が優れない場合でも、そのペースに合わせて作業を進めてもらっています。

ー 納期が柔軟だと、御社の運営に支障はないのでしょうか?

樋口 確かに不安定な面もありますが、10事業所と協力しているので、1つの事業所が遅れても他の事業所でカバーできる体制を整えています。そのため、全体としては問題なく運営できています。

古着商品の登録作業は、就労継続支援B型事業所利用者の方々の熱心な取り組みにより支えられている

ーどのような経緯で就労継続支援B型事業所と一緒にお仕事をすることになったのでしょうか。

樋口 人手不足が一番の理由でした。モトリーを運営している商品部に、適切な人材がおらず、別事業部でご協力いただいていた就労継続支援B型事業所の方に、協力をお願いしました。依頼し始めた当初は、どの程度まで作業ができるかわかりませんでしたが、事業所の皆様が予想以上に熱心に取り組んでくださって助かっています。

ー実際に取り組んでみて良かった点はどのような点ですか?

樋口 良かった点は、就労継続支援B型事業所の方々が非常に真剣に取り組んでくださることです。先日事業所に伺った際に、最初から最後まで飽きることなく、情熱をもって取り組んでくださる方、細部まで気を配り、積極的に質問してくださる方、自分の仕事として責任感を持って取り組んでくださる方がいらっしゃり、大変ありがたく感じました。

ー今後、就労継続支援B型事業所の方々との協力関係をどのように発展させていくお考えですか?

樋口 今後もより多くの方に多様な作業を提供できるようにし、一緒に成長しながら、社会に貢献していけたらと思っております。

[  Interview  ]

就労継続支援B型事業所「わらびもち」様

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就労継続支援B型事業所「わらびもち」
代表者:谷口由加利
所在地:〒675-0117
兵庫県加古川市平岡町一色西2丁目373-3
モットー:安心して過ごせる場所・自己表現できる場所

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樋口  モトリーで販売する服の採寸・写真撮影・原稿入力業務の依頼を開始して1年が経ちますが、最初にこの業務を依頼されたとき、どのように感じられましたか?

事業所長 谷口さん(以下谷口) 正直、ワクワクしました。色とりどりのたくさんの服が届いて、楽しそうだなという印象を持ちました。

事業所利用者 片岡さん(以下片岡)   私も、いろんな服を取り扱うにあたり、服に関する知識も増えるんじゃないかと楽しみにしていました。また、今までの単純作業とは違った、多岐に渡る業務内容で、新たな挑戦ができるという期待がもてました。

樋口  実際に1年間採寸・写真撮影・原稿入力の業務に携わってみての感想はいかがですか?

片岡   服に関する知識が増えただけでなく、パソコンの操作にも慣れることができました。私はパソコン業務を担当しているのですが、非常にやりがいを感じています。

樋口 職業訓練として、スキルアップにつながっていますか?

谷口 今までパソコンを触ったことがない人でも、この仕事を通じて操作に挑戦する機会を得ました。若い人たちは特に積極的に取り組んでおり、楽しんでいる様子が見られます。

樋口 業務の中で工夫している点はありますか?

片岡   データ入力の際、このようなシートを作成して進めています。以前は二人で一台のパソコンを使って、ラベルを見ながら入力していましたが、現在は写真撮影と同時に一人が手書きでシートに記録し、もう一人がデータ入力を担当しています。この分担作業のおかげで、業務の効率が大幅に向上しました。

樋口 これまでの業務で苦労した点はありますか?

谷口 ラベルに書かれている国名を見つけるのが難しい場合があります。

片岡  ブランド名が筆記体だと、アルファベットを読むのに苦労することもあります。また、データと番号のずれが生じてしまうこともあり、そうしたトラブルへの対応が必要でした。

樋口 業務中の利用者さんの様子はどのように感じられますか?

谷口 皆さんとてもいきいきとしていますね。特に女性たちは服が好きなので、写真を撮影しながら、身体にあててみてチェックするなど、他の業務に比べて楽しんでいる印象です。

樋口 この業務がもたらした良い点はありますか?

谷口 男性も女性も楽しみながら業務に携わっています。

片岡 様々な服に囲まれて、好きな企業の服を扱いながら仕事ができるのは楽しいです。

樋口 職員の立場から見て、何か課題は何かありますか?

谷口 業務がスピーディーに進まないことが課題ですね。どうすれば効率的にできるか、日々意見を交換しながら改善しています。

片岡 限られた人しか作業ができないので、急遽休んだり、長期で休んだりする場合に対応できなくなってしまいます。単純作業とは違い、頭を使うし、作業が多岐に渡り、パソコンの知識も必要なので人材育成が今後の課題です。

これからも、就労継続支援B型事業所の方々と、双方にとって有意義な関係を築きながら、衣料のリユースとリサイクルを通じて、社会に好循環を生み出していきたいと考えております。モトリーの商品を手に取る際に、その裏側を少し感じていただけますと幸いです。