「3Rを学んで衣類のゴミを減らす」出前授業を近隣小学校にて12年前から開催し続ける理由
モトリーを運営する株式会社Kurokawaは、12年前から高砂市内の10校と近隣地域の小学校4年生を対象に、「3Rを学んで衣類のゴミを減らす」というテーマの出前授業を行っております。
子どもたちの未来・地球の未来を守るための活動として、これまでに延べ約100回、約9000人の生徒に対して出前授業を実施してきました。
今回はご担当の黒川芳美さん、崎山芳香さんにお話しを伺います。
服は捨てるのが当たり前?!
ーどのような経緯で出前授業を始めたのでしょうか?
きっかけは、若手社員が衣類のリサイクルの方法を知らなかった、ということでした。
2022年度の環境省の循環型ファッションの推進方策に関する調査によると、国内で家庭から手放した衣類のうち64.3%が廃棄されました。
同年のペットボトルのリサイクル率は86.9%なのに対し、服はたったの35.5%しかリユース・リサイクルされていません。
ペットボトルは再利用が当たり前なのに、服は捨てるのが当たり前になっています。
不必要になった服を、古着として次の人が利用すれば、エネルギーを使わずにリユースすることができるのに、古着をリサイクルショップへ持って行く人はごくわずかです。
リユースできないほどボロボロになった衣類も、昔は切って「ウエス」という使い捨ての雑巾として使われてきました。
しかし、今は家庭でそういった知恵が伝承されていません。
1953年よりリユース事業を行ってきた弊社が、衣類のリユース・リサイクルの方法を伝えるのは私たちの使命ではないかと思い、12年前に社内でプロジェクトチームを立ち上げました。
兵庫県高砂市内の顔見知りの校長先生に出前授業の提案をしたところ、3校で出前授業を開催できることに。
年度始めに小学校の先生方にご挨拶にうかがう、出前授業の報告を「ニュースレター」という形式で高砂市内と近隣地域の小学校にお送りする、など、地道な活動を続けたことで、徐々に開催校が増え、この12年間で延べ約100回、約9000人の小学生に対して出前授業を実施することができました。
現在は毎年高砂市内10校と加古川市の小学校でも出前授業を行なっています。
クイズやアニメで「3R」と「衣類のゴミを減らす方法」を楽しく学ぶ
ーどのような授業なのでしょうか?
クイズや動画などを取り入れた楽しい授業を心がけています。
前半は"お母さんがお買物にエコバッグをもって行く。これはリデュース?リユース?どちらでしょうか?""お兄ちゃんやお姉ちゃんの着なくなった服を弟や妹が着る。これはリデュース?リユース?どちらでしょうか?"など身近な話題のクイズに答えながら「3R=リデュース・リユース・リサイクル」の理解を深めてもらいます。
後半はクイズや動画などを交えながら"なぜ衣類をゴミとして燃やさない方がよいのか?""衣類をゴミにしない方法は?""衣類はリサイクルして何に生まれ変わるのか?"など「衣類のゴミを減らす方法」を学びます。
授業の最後には、自分が今すぐ取り組めることを「マモルンジャーカード」へ書いてもらうのですが、それが帰宅後、保護者の方とも授業内容を振り返るきっかけになるようです。
ー保護者の方に授業を聞いていただく機会もあるのでしょうか?
はい、授業参観やオープンスクールで弊社の出前授業を開催することがあり”服をゴミにしない方法があるのに、衣類の半分以上はリユース・リサイクルされずに焼却されてしまう””布は濡れるとリサイクルできないため、地域の資源回収に出すときは、布の入った袋を必ず縛って出す必要がある”などの話をすると「初めて知った」という声も多く聞かれます。
出前授業で「3R」を身近なものに
ー先生方や子どもたちからどのような感想が届きますか?
今年度授業を行った学校の先生方からは以下のような感想をいただきました。
「この度は、リサイクルに関する貴重なお話をしていただき誠にありがとうございました。
お陰様で、子供たちは地球環境への意識が一層高まり、リサイクルの重要性を理解しました。
将来、自分たちも積極的に取り組んでいきたいと考えています。
貴重なお話を通して、大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。
ありがとうございました。来年度もよろしくお願いします」
「先日はお世話になりました。子供たちはゴミの問題についてより深く学ぶことが出来ました。
ありがとうございました」
子どもたちからは以下のような感想をいただきました。
- マモルンジャーカードには、何を書きましたか?
- 今日の話を聞いて、どう感じましたか?
Aさん
- リユースでお兄ちゃんからのおさがりを使う。
- 今までは、自分一人がごみを減らそうとしても、意味がないと思っていたけど株式会社「くろかわ」さんの話を開いて、一人一人ががんばらないと、ごみが減らないことを知ったので、これらは、少しずつ使える物は使ってむだに買わないようにがんばろうと思えました。
ありがとうとございました。
布おり紙でツルを作りました。とてもかわいくて、家族にも、好評でした。ありがとうございました。また、がんばってください。
Bさん
- 食べ残しを無くす。飲み物がこぼれた時はぞうきんでふく。
いらなくなった服は友達にあげたりする。 - 世界中で地球温だん化や、水面上昇が問題になっているので、自分たちがリサイクルやリュースなどに取り組んで、地球温暖化を止めたいです。
家の人にも、3Rの事や、服のリサイクルなどを伝えて、今日、知った事をいろんな人に広めたいです。
マモルンジャーカードにかいた事をこれからやっていきたいです。
Cさん
- 「買い物の時、マイバックを使う」と書きました。
- 3Rは、「リサイクル」、「リュース」、「リデュース」があるのが分かりました。3Rをする事が大切だなと思いました。
買い物のレジの時レジぶくろをもらわず、マイバックを使って、服や、自転車を、妹や弟ほしい人にあげようと思いました。
家では、わりばしを使わず、マイはしを使おうと思いました。
マモルンジャーカードに書いた事は、言うだけじゃなくて、本当にしたいと思います。
今日の合言葉の、「服も分ければ資源、混ぜればゴミ」というのを、しっかり覚えたいと思います。
おみやげありがとうございました。
Dさん
- ビニーぶくろではなくマイバックで買い物する(リデュース)
-
今日動画やクイズを見せてくれてありがとうございます。合言葉もしっかり覚えました。
「服も分ければ資源、混ぜればゴミ」でしたよね。
まさか江戸時代から取り組みがあるなんて思ってもいませんでした。
おみやげもありがとうございます。
楽しく作ろうと思います。
3Rも全部覚えていますよ。
わたしも家で簡単なことでいいから挑戦してみたいです。
ツルも見せてくださってありがとうございます。
今日は古着の価値についていろいろと教えてもらいありかとうございました。
Eさん
- わたしはが弟兄が4人いるからくりかえして使うリユースにしました。
-
3Rをはじめてしってもっとりユースリサイクルを大切にしていきたいと思いました。
もっと3Rを使おうと思いました。3Rは大切だと思いました。
「服も分ければ資源、混ぜればゴミ」を守っていきたいと思いました。
Fさん
- ゴミを分別してりサイクルする。布ゴミの日に布を出す。
-
動画で分かりやすかった。
クイズしながら説明してくれたので楽しかった。
説明が分かりやすかったのでいろいろなことを学んだ。
最後に布など大きいツルなどさわらせてくれてありがとうごさいました。
社会の授業で「3R」を学んだときに、実際の生活と結びつけて考えられていなかった子どもたちも、出前授業を通して「3R」を身近に感じられるようになるようです。
未来のために衣料のゴミを減らす取り組み
ー今後の展望を教えてください
出前授業は業務の中でも一番好きな仕事です。色々な子どもたちに出会いますが、どの子も素直で可愛くてパワーをもらっています。
この活動は弊社の企業理念「私たちは衣料のリサイクルとリユースを通して、皆様の生活に役立つ企業を目指します」にぴったり沿った活動ですので、子どもの未来・地球の未来のために続けていきたいです。
他の地域やオンラインでも開催するなど、より多くの方に伝えていけたらと思います。
「モトリー」では約70年間培ってきたノウハウを活かしどんな古着でも回収いたします。
地域の資源回収日に出すのも、リサイクルショップに持って行くのも面倒という方は、「もっとリユースキット」の専用袋に詰めて「モトリー」に送ってください。
ご自宅から一歩も出ることなく燃えるゴミを減らすことができます。
あなたも衣料のリユース・リサイクルの輪に参加しませんか。
-- Pick up --
着物は海外に輸出することができません。
そこで、着物をほどいた布を利用し「折り鶴キット」というものを開発しました。
美しい着物の柄の折り鶴をつくることができるキットです。
授業中に一緒に作ったり、自宅に持ち帰って楽しんでもらったりしています。